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デジタル、パノラマX線画像と CBCT(コーンビームCT)の読影のポイントとは?

      2018/05/21

東京 千代田区 御茶ノ水の白い歯で治療する歯医者 ホワイトエッセンス御茶ノ水デンタルクリニックの院長の太田です。

東京歯科大学同窓会学術セミナー

午前中の

デジタル、パノラマX線画像と

CBCTの読影のセミナー内容の

要約が出来ましたので参考にしてください。

 

1.今さら人に聞けないデンタル、パノラマX線画像の効果的な読影方法とは?

まずは

・撮影時の投影の原則

 

水平的角度付けがとても大事です。

普段何気なく撮影しているデンタル撮影ですが、

正放線投影で歯牙の隣接面に対して

 

水平にセッティングすることで

鮮明な画像を撮影

することが出来ます。

 

これが最も大事なポイントです。

 

・遠心根を読影する場合は近心から撮影する

例えば骨中の埋伏歯の頬舌位置を確認する場合

 

左斜めから撮り

左にあれば口蓋側

右にあれば頬側 

 

右側の場合はその逆になります。

 

迷った場合は3本指を出して左右から

眺めてみれば位置関係が分かります。

 

 

X線撮影の正当化と最適化の話ですが

患者さんにとって

その撮影は本当に必要があって

撮っているものなのか?

そこを十分に考慮して撮影することで

撮影に対して患者さんが

利益を得られることになります。

 

 

癌の可能性に関しては

答えは

Noです。

 

被ばくを伴う行為が患者の利益に繋がればの話ですが、

 

X線からの防護を最適化して

被ばくを合理的に達成できる限り

低くする事で行為の正当化をすることが出来ます。

 

良い読影、診断を行い良い治療に結びつける

これが非常に大切ですので、

ここは日頃から1枚のレントゲンを

大切に扱う事を心がける事です。

 

線量制限に関してですが

基本的に医療被曝の制限は無いです。

それが患者さんの利益になれば良いので、

医師の裁量に任せられていますので

 

しっかり判断することが大事ですね。

 

パノラマ撮影時の注意点ですが

猫背になるとX線通過距離が大きくなり

人体へのX線吸収が大きくなり

画像正中部が見えにくくなるので

姿勢よく撮影することがポイントです。

 

 

2.ベテランでも間違えやすいパノラマにおける障害陰影とは?

・下の7番の根分岐部病変と

外斜線とが重なるので注意が必要

 

・下顎前歯などの根尖病変か根尖性セメント質異形成症

の異変は生活歯かどうかを判断する

 

神経が生きているか?調べることが必要になってきます。

 

このケースは経過観察がとても大事です。

疑わしい場合はやはりCT撮影が必要になっていきます。

 

しっかりした診断が要求されます。

 

 

 

 

・親知らずの炎症か含歯性嚢胞か悪性腫瘍か?

を判断する基準は

骨の連続性を確認する。

ここも怪しい場合は紹介状を出して

精密検査をしてもらう事が大切です。

 

 

・パノラマ撮影時

障害陰影が生じる部位ですが

 

小臼歯部が最も多く、

隣接面が重複する・

また、

断層域が変化します(前歯3-5㎜ 臼歯10-15㎜)

 

ここは注意が必要です。

計測はあてになりません。

 

インプラント手術前には

特に注意が必要です。

 

3.インプラント治療主流の中での現在のコーンビームCTの活用法とは?

・デンタル、パノラマで診断が出来ない場合

 

CBCTは、 小さな撮像範囲で撮れば細かく見えます

医科用 MDCT 歯科用 CBCT 

CBCTは小さな撮像範囲で撮れば、

被曝量が低い事がある 

 

CBCTは白黒灰色が不安定

CBCTは軟組織 診断ができない

 

・矛盾した症状

・多根管や複雑な形態

・治療が奏効せず、さらなる治療が必要

・オーバー根管充填

・破折器具

・パーフォレーション

・外科的再根管治療における

術前の計画立案を行う際の根尖病変

ならびに近接する解剖構造の診断

・歯の内部吸収や外部吸収

・歯や限局した歯槽骨の外傷

・埋伏歯

・インプラント植立前

 

 

これらはCBCTが威力を発揮します。

 

 

4.他医院と差が出る!コーンビームCTの読影診断のツボとコツとは?

・診断目的に応じて適切な撮影範囲を選ぶ

・適切な画像

・被ばくの正当化と最適化は常に考慮する

 

・歯内療法、埋伏歯1カ所は小さな撮影範囲で!

 

理由としては

・ボクセルを小さくできる

・被ばく量を少なくできる

 

 

高い画像解像度(細かく見える)の

必要性は症例により異なる。

被曝や患者さんの負担とのバランスを考慮する。

 口内法1-10usv

・歯内療法は小さい範囲で撮影

・患者が動くぐらいなら速く撮る

 

CBCTは

経過観察として使用すると

経過観察中に再発などで

治療方針が大きく変わる場合があります

 

2次元で判断が出来ない時

必要な 診断情報を得るために歯科用CBCTが有効と

その場合も考えられる限り撮影が正当化されないと

いけませんね。

 

 

また、意外と

目的の歯牙の隣在歯に金属での修復があると

CBCTでの読影が困難になるので

その場合はCTが有効

 

 

医療事故の裁判での事例として

・悪性腫瘍の見落とし

・口底部の診断ミス

・下顎管損傷

・炎症、特に窒息する側の診断ミスなどがあります

 

やはり患者さんにとって

安全な歯科治療の為に

適切な撮影と読影をしましょう

 

それから

被ばく量低減の為に、

経過観察は2次元画像で保管しましょう。

被ばく量が増えてしまいます。

ここは注意が必要です。

 

 

もう一つ理由としては

ボクセル値が不安定

撮影時期と治療時期を考慮してCBCTは撮影しましょう

正当化が認められない場合も多々ございます。

医療の進化によりデジタル化が進んでいく中

しっかりと診査、診断を行えるように

常に学んでいきたいと思います。

 

この記事が歯科医師、一般の方にも参考になれば幸いです。

 

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