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御茶ノ水デンタルクリニック

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歯がグラグラ、歯ぐきが腫れた、歯医者で治る?

   

東京 千代田区 御茶ノ水の歯槽膿漏 歯周病 歯がクグラグラする を治す歯医者
ホワイトエッセンス御茶ノ水デンタルクリニックの院長の太田です。

7月7日、8日と
2018 TDCアカデミア 臨床セミナー/ペリオセミナー
「あなたの歯周治療をさらなる高みへ」
〜切除療法・ソフトティッシュマネージメントから再生療法までを学ぶ1.5日〜
(2018年7月7日(土)・8日(日)、全2日間)
が開催されました。

東京歯科大学学術委員としてお手伝いさせて頂きました。
昨年に続き今回のセミナーも定員オーバーで受講できなかった先生方が多数存在しました。

少しでもお役に立てればと思いまして自分なりにまとめてみました。

歯周組織を健康な状態で長期に安定させるためには,
さまざまな対応が求められます。

これは歯周病が最近との戦いだからです。
いわゆる、バイ菌が原因ですので、このバイ菌が増殖しないように常に清潔に保たなければなりません。

まずは、ご自身でのブラッシングが最も重要です、

しかし、

疾患が進行してしまった場合はご自身では治すことが出来ません。

歯周病が進行すると、骨がとけて歯がグラグラになってしまいます。
ですので、
そのとけた骨に対しても治さなければなりません。

骨へのアプローチとしては、切除療法・再生療法で対応し生理学的な骨形態への再構築が必要となります。

歯ぐきが下がってしまった、歯の間に物が挟まる、
そのような場合は歯ぐきの処置が必要になります。

軟組織へのアプローチでは、遊離歯肉移植術・結合組織移植術などを用います。

そのようなことを行い、歯ぐき、歯周組織は安定しプラークコントロール(歯ブラシが)しやすい環境を達成できます。

歯周外科手術の様々な術式のコンセンサスは多く得られておりますが、
実際の日々の臨床に応用する際、術式の選択には様々な注意事事が必要になってきます。

今回
術式は講義と共に豚顎を用いた実習を通して徹底的に学ぶことができました。
昨年受講された先生方も、また、今回初めて受講された先生方にも非常に満足していただけた内容でした。

講師のご紹介 船登 彰芳
(石川県 開業)

5-D Japanファウンダー
アメリカ歯周病学会(AAP)会員
アメリカインプラント学会(AO)会員
ヨーロッパインプラント学会(EAO)会員
ヨーロッパ審美学会 Affiliate member(EAED)

講演内容まとめ

1・初期治療とメインテナンスの重要性

歯周炎の特徴とは?
1. 日和見感染症である
2. 歯肉炎が歯周炎に進行し、歯の周りの組織であるセメント質、歯根膜、歯槽骨が破壊される
3. 歯ぐきが「ぶよぶよ」になり付着の喪失が生じ、歯周ポケットが形成される
4. 歯周ポケットが深くなると歯周病原細菌が増殖し、炎症を持続させる
5. プラークリテンションファクターにより増悪する
6. かみ合わせが悪く、外傷性咬合が併発すると急速に進行する
7. 全身的因子はリスクファクターとして働く
8. 部位特異性がある
9. 休止期と活動期がある
10. 重度になると悪循環が生じ、さらに急速に進行し易い
11. 原因の除去により改善、進行停止する
12. 生涯にわたる SPT(定期的なメンテナンス)が不可欠である(治癒は無い)

歯肉炎患者には歯周炎へと進行させないことの利益が、どれほど大きなものか理解させ、
歯周病の発症予防に努めることが肝要である。

細菌が主因であることに疑いの余地はないが、細菌量(=プラーク量)によって発症する
かしないか、または疾患の重症度が決まるはずだが、実際はそう単純ではない

2・歯周疾患のリスクファクターと切除療法

歯周疾患におけるリスクファクター Bleeding on Probing 深い歯周ポケット 垂直性骨欠損(Intrabony defect) 根分岐部病変 それぞれの根拠を示す文献 ポケットが7mm以上になると歯石のとり残しが多くなる。

Calculus removal from multirooted teeth with and without surgical access. (I). Efficacy on external and furcation surfaces in relation to probing depth. Parashis AO, Anagnou-Vareltzides A, Demetriou N. J Clin Periodontol. 1993 Jan;20(1):63-8.

分岐部より2mm根尖側において、分岐部の幅が 2.4mmより狭いと広いものより 歯石のとり残しが多くなる。
Calculus removal from multirooted teeth with and without surgical access. II. Comparison between external and furcation surfaces and effect of furcation entrance width. Parashis AO, Anagnou-Vareltzides A, Demetriou N. J Clin Periodontol. 1993 Apr;20(4):294-8.

BOP (+) の場合、アタッチメントロス増加のリスクは 2.8 倍。
6mm 以上のポケットの歯の喪失リスクは 10 倍であった。
Armitage, G, (1997) Periodonta! diseases: diagnosis.Annals of Periodontohgy

水平骨吸収に比較して、垂直骨吸収は優位に歯の喪失を伴う。
(10年間の観察期間で,4.5mm以上の骨吸収では68%)
The angular bony defect as indicator of further alveolar bone loss Panos N. Papapanou and Jan L. Wennstrom J Clin Periodontol 1991; 18: 317-322.

上記のレビューと他の文献からの結論としては

部位単位で 6 mm以上のポケットが残存した場合、それは不完全な歯周病治療であることと、追加の治療 が必要であることが示された。
患者単位では、5mm 以上の残存ポケットを 9 カ所以上残していると、
さらに進行するリスクが高くなることが示された。
BOP(+)(歯ぐきからの出血)は約 2倍、
FMBS30%以上の患者は歯牙喪失の危険が高まる。

もう一つの文献では
The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults. Results after 30 years of maintenance.
Axelsson P 1 , Nyström B, Lindhe J. Clin Periodontol. 2004 Sep;31(9):749-57. 目的》
歯周サポート治療下にある成人の歯牙喪失・虫歯・歯周病の発生率を調べた。

<方法>
1972 年から 2002 年まで 30 年間
20 歳から 65 歳までの 375 人を年齢で 3 グループに分けた個々の患者のリスクにあわせて
リコールの間隔を決定した(年 1 回、6 か月ごと、3 か月ごと)。
染色して歯垢を明示して歯磨き指導 必要に応じて歯石除去 専門的なクリーニング
(プロケア)を行った。
<結果>
30 年間で喪失した歯牙はごくわずかで、3 つの年齢層で 0.4~1.8 歯であった。
新しい虫歯は 1.2~2.1 面で、そのうちの 8 割は再治療のものであった。
ほとんどすべての部位で、歯周病の悪化はみられなかった。
歯周サポート治療を受け続けることで、歯周病はもちろん虫歯も防げる

上記の結論として
歯周外科(歯ぐきを切る処置)の是非を論ずる前に、医院として SPT (Supportive periodontal therapy )の確立が必要であることは自明であろう。

ではメンテナンスにはどのような方法があるのか

メインテナンスの分類
*予防的メインテナンス 健康な歯や歯周組織を維持するためのもの 初期治療で良好な結果が得られ、メインテナンスに移行する場合も含まれる。

*試行的メインテナンス 最小幅の付着歯肉や根分岐部病変などの発病の危険性の高い部分の評価を 行いつつ疾病をコントロールしようとするもの。

*妥協的メインテナンス 歯周外科処置等の積極的な治療が必要であっても、そのまま維持していく場合。

*治療後メインテナンス 積極的な歯周治療後、疾病の再発を予防する為に行うもので 『積極的な治療』の程度によってはメインテナンスの内容も変わる。

しかし、そのような方法を取ったとしても患者の利益としてそれぞれのメリット、デメリットをしっかり説明して個々の患者と共有することは重要である。
また、自医院のコンセンサスを確立することも必要である。

residual pocket と Periodontitis progression の関係についてのレビューの 結果、5~6mm以上の深いポケットを残して、SPT に入るのは、長期的にみれ ばリスクが大きいという結論が導かれた。また、その骨欠損形態が、水平的で なく、角度を持ったものであるなら、さらにリスクは大きくなると考えるのが 妥当である。患者自体のもつ細菌学的リスクについても、考慮するべきである かもしれない。 これらの事を考え合わせると、動的治療に於ける骨へのアプローチは、骨形態 をFibre retention の考えに基づく再生療法と、骨切除・骨整形により 骨形態は Negative architecture から positive architecture(生理的骨形態)に 整えるべきである。

骨縁下欠損(Intrabony defect)への対応 垂直欠損を多数含む症例では、歯列全体を生理学的骨形態を切除療法のみで対応しようと すると、多くの支持歯槽骨を犠牲にすることや、多く抜歯をせざるを得ないことになる。 したがって、そのような場合時間がかかったとしても、再生療法の応用は必要になるが、 その結果の向上を求めさらなる研鑽を積まねばならない

一般的にいえば、3mm 以下の骨縁下欠損があれば切除療法が適応となり、それ以上で あれば再生療法が適応となる

3・遊離歯肉移植・結合組織移植の適応症とその術式

Free Gingival Graft 遊離歯肉移植術

遊離歯肉移植(FGG)による歯肉拡張は、Bjorn (1963)によって発表され、
Sullivan & Atkins (1968)によって確立された。

歯肉、歯槽粘膜の形態異常(幅や形・性状)は審美性や 機能の点において影響を及ぼす。

角化歯肉の欠如は歯肉歯槽粘膜の状態の中でも顕著な病 態である。歯肉の健康を維持するための最小の付着歯肉幅がどれだけであるかを示すエビ デンスはないが、様々な理由によって治療介入が適応となるような口腔内の状況があると言われている。

歯肉が薄い、歯肉の欠如が存在する場合、自分で歯ブラシを行うのが難しく、磨けない部分にバイ菌、プラークがそこに溜まってしまう。
その結果、バイ菌が増殖し、歯ぐきに炎症がおこり、骨がとかされてしまう。そして歯ぐきも下がってしまう。

FGG は角化歯肉の不足に対処するために40年以上前に紹介されたテクニックである。

FGG は角化歯肉の幅を増大させるために未だに広く使われている。

欠点として

移植片の構造と色調は、移植片の元の採取部位に影響される。
ほとんどの移植片は角化した口蓋歯肉から採取するため、とくに厚い移植片を移植した場合は、移植片は典型的 な青白色を呈し、非角化の粘膜や隣接する歯肉との境界が明瞭に出現し、その状態は長期にわたり継続する。
また年数が経てばさらに歯肉は厚くなり、仮性ポケットよう になる場合が多い。

移植片を口蓋のきわめて前方から採取すると、口蓋皺襞も一緒に採取され、移植部にも 口蓋皺襞(しわしわ、なみなみ)が出現する


4・再生療法の適応症とその術式
特に根分岐部病変に関しての適応症と非適応症について

・根分岐部病変の再生療法に適する条件
良好なアクセスが得られる
隣接面の骨レベルが高い場合
十分な長さの根の長さ(ルートトランク)
骨壁の残存

・根分岐部病変の再生療法に適さない条件
分岐部の骨レベルが低い場合
隣接面の骨レベルが分岐部よりも低い場合
大きな根の陥没
分岐部内部まで達するエナメルプロジェクション

多様な治療により分岐部病変をもつ多根歯は良好に長期間維持される場合もあるが、
初期の分岐部病変は非外科的なデブライドメントにより良好にコントロールされる。
切除療法により治療された場合、垂直的な歯根破折、根管治療の失敗が最も頻度が高い

5・再生療法を成功させるための適切な手順
術前の炎症・動揺のコントロール
術前の欠損の把握
(場合によっては、2週間前に歯肉を傷つけないようにP-Max等を用いた機械的SRP)   歯肉溝内切開(骨欠損内は直視で)
Papillae preservation flap ( MPPT, SPPF)
デリケートな剥離・最大限の軟組織保存(歯肉溝内切開)
可及的な廓清
唾液の排除
出血のコントロール
適切なマテリアルの選択と使用
十分な減張(Extend Flap)
歯間乳頭部でのバットジョイントによる縫合
綿密な術後管理 (プラークコントロール、動揺のコントロール)
動揺のコントロール
• 補綴物外していいなら、プロビジョナルレストレーション
縫合しやすい。
• 天然歯で動揺少なければ、そのまま。
• 初期治療から動揺認めれば、ワイヤー固定。
咬合調整し、少なくとも3か月ワイヤーが外れないようにする。
再生療法後、6~8か月後に除去。

データからもわかるように、部位別にある一定の傾向はあるものの、様々な 数値が存在する。言い換えるならば、従来から言われているように、Flat –Thick , Scallop-Thin の概念があるように、個体としての固有の Biologic Width が存在すると 言える。
したがって歯周外科を行った部位であったとしても、最終的に固有の Biologic Width が完結する。

以上簡単ではありますがまとめとさせて頂きます。


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