歯の移植、再植のツボとコツ その2
千代田区、神保町の歯医者のホワイトエッセンス御茶ノ水デンタルクリニックの院長の太田和秀です。
❹抜歯窩への抜歯直後移植
ソケット削除が少ないと一般的に治癒は早い
移植歯に大きな根尖病変やポケット5mm以上存在する場合は禁忌、抜歯後約2週間待機する
そのような場合は次の治癒期の抜歯窩への移植となる
❺治癒期の抜歯窩への移植
根尖部に大きな病変
歯周病や歯根破折のために深いポケット上皮や骨欠損が存在
注意事項として
固有歯槽骨が固く残存しているため形成の境界部位がわかりにくい
抜歯後約2週後から化骨期になるのでその期間までに移植をすること
抜歯後2-3週間までに行うそれ以上経過すると残存骨の吸収が始まる
長くても抜歯後1-2か月まで!
ソケット形成が必要
切開、剥離が必要
ここからは難易度が上がるので熟練を要する処置となる
移植後、根管治療後の歯にはクラウン修復が良いです!
レジン充填では長期に維持できない
ここでちょっとヒント
すべてのケースでのコツ!
生活歯の場合
移植前の抜髄は行わない
鉗子で抜歯
歯髄壊死を起こした場合は
1.移植後3週間でエンド開始、水酸カルシウム療法
水酸化カルシウムによって破骨細胞の活性を抑える
2.6週-12間後にGP根充を行う、できれば6か月後根充
3.クラウン修復は行うが再根管治療のためにコアは入れない
失活歯の場合
GP根充、コアセット後の移植は成功しないケースが多い
❻欠損補綴、顎堤への移植
固有歯槽骨は存在しないため治癒までの期間を有する
血液供給は骨髄から行われる
移植歯歯根形態に合ったソケット形成が要求される
かなりの経験を踏まえたうえで行うほうが良い
術式を簡単に説明しておきますが、
1.局所麻酔
歯根膜注射は禁忌
2.移植、再植歯の咬合面の削除
再植、移植後に調整した場合 削除片が歯肉溝内に付着してしまう
3.再植歯の清掃、消毒
プラークを入れ込まない
4.歯肉弁の 剥離
歯根と歯槽骨の境界を明視下で確認する
5.再植、移植歯の抜歯
近心よりペリオトームのような細いへーベルを使用する
6.抜歯窩の保護
再植、移植まで滅菌ガーゼで入り口を塞いでおく
7.再植歯の歯根表面の検査
根尖孔の位置、状態、亀裂、炎症性肉芽組織の除去
8.失活歯であれば根尖孔の窩洞形成を行う
根尖部を1-2mmカットした後にスーパーボンドで充填
9.窩洞への充填
素早く正確に行う
10.抜歯窩の掻爬
根尖部の病変組織など、下歯槽管に注意
11.移植歯の固定
0.16×0.16のワイヤーにて隣の歯牙と固定するのがより良い
移植後2-4週間で固定は外します。
糸で縫った場合は約1-2週間で抜糸します。
12.生活歯の場合は神経の生存状態を確認し根管治療を行います
生活歯の場合移植後3週間でエンド開始、
水酸カルシウム療法
これは水酸化カルシウムによって破骨細胞の活性を抑える
そして6週-12間後にGP根充を行う、できれば6か月後根充
13.クラウン修復は行うが再根管治療のためにコアは入れない
14.経過観察
月に1度チェックと清掃を行います。
最終的に成功をどう評価するか?
一定期間(10年以上)天然歯と同然の臨床経過を示す事!
1、患者の咀嚼機能の獲得
2、通常の歯根膜空隙、固有歯槽骨、支持歯槽骨の存在
3、連結した隣在歯、対合歯との調和
これらが獲得された時に
成功と言えるのでは無いでしょうか!
初めにも書きましたが
保存を試みる事が最も大事な事なのですね!
皆さま、
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!
明日からの臨床に、
そして、疑問点が解決し
少しでもお役に立てば幸いです!
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